★相続登記が義務化されます★
こんにちは。司法書士のよしだです。
突然ですが、皆様がお住いのお家、相続の登記はお済みでしょうか?
ご両親からお家を相続をして住み続けている方の中には、しばしばこの「相続登記」をすることを忘れている方がおります。
「相続登記」は、現在は義務とはなっておらず、不動産の固定資産税についても登記簿上の名義人が亡くなった方のままであっても、だいたいの場合はご家族どなたかに宛てて毎年課税明細が送られてきますので、支払ってさえいれば差し迫った問題は無いように思えます。
この「相続登記」ですが、令和6年4月1日より義務化されることが決まっております。
また、正当な理由なく期限内に相続登記を行わなかった場合には10万円以下の過料という罰則も用意されております。
なぜ「相続登記」が義務となるのでしょうか。
最も大きな要因として、日本全国において相続登記がされないことによる弊害が多発してしまっていることが挙げられます。
「相続登記」がされていない不動産は、そのままでは売買・贈与・寄付などの名義変更を行うことができません。
売りたい場合・誰かにあげたい場合・公共事業等により市や町に寄付をしたい場合等にこの「相続登記」がされていないことが大きな課題となります。
名義変更をするためには、「相続登記」によって、相続人のどなたかの名義とする必要があるわけですが、親族間のつながりの弱さや、相続人同士の不仲、相続人の一部が認知症であるなどの事情により、「相続登記」の前提になる相続人全員での決定すなわち「遺産分割協議」が難航するためです。
ひとたびこの相続問題に突き当たりますと、たいていの場合大変な労力をかけて「相続登記」をはじめとする遺産承継手続きをしなければならなくなってしまいます。
対策としては、①普段から親族間の連絡先等、最低限つながりを持つようにしておく、②相続発生に備えて遺言書を作成しておく、③相続が発生したら速やかに相続の手続きに取り掛かるといったことが挙げられ、それぞれさほど難しいことではないのですが、実際に問題意識を持ってあらかじめ対策している方は稀です。
理想は全ての方に相続発生時に備えた上記のような対策をしておいてほしいのですが、特に手続きが複雑化しやすい、以下の方については他人ごとではなく今すぐ真剣に相続対策を練っていただけるといいなと思います。
1 お子様のいないご夫婦
お子様のいないご夫婦の場合、どちらかが亡くなると残された方は配偶者の親・兄弟などと協力して相続手続きを行うことになります。
遺言1通さえあれば済んだのに、たくさんの義理の兄弟姉妹に協力をお願いしなければならなくなることもありますので、対策は必須といえます。
2 再婚で、前配偶者との間に子がいる方
前配偶者と離婚したとしても、親子の縁は切れません。前の配偶者との間の子と、後の配偶者との間の子は、同様の相続権を有しますので、その全員が遺産分割協議に参加する必要があります。
協力し合える関係であればよいですが、そうでない場合も少なくありませんので、必ず遺言を残すなどの対策をしておくべきだと思います。
3 子ども同士・子供と両親の仲に不安がある方
「自分の家族は大丈夫だろう。」「大した財産は無いからうちには関係ない。」そう考えたくなる気持ちはよくわかりますが、生前の口約束は、遺産分割の際に誰かが違うことを言い出してしまえば無意味となるどころか、「生前の約束を破って権利を主張しだした」と裏切られた気持ちが増してしまうことにより、何も決めていなかったご家族よりも話はまとまらなくなることもあります。家族にはこうしてほしいとの希望は、口で言うだけでなく、遺言書として残すことをお勧めしたいです。
全く対策していなかったため、疎遠な親族と連絡を取り合い、解決しなければならなくなった。役所の手続きはおろか、その相続人の居場所や現在生きているかどうかすらわからない。そんな状態になってしまってから相談に来られる方もおられます。
当事務所でも、全力でできる限りのサポートを行いますが、連絡をすべて無視される・海外に引っ越してしまって居場所が分からないなどのケースも時折見られます。
困ったときには、放っておいて時間が解決してくれる…ということはほぼありませんので、一度、司法書士に相談してみてくださいね。
よしだ